クローズアップ科学

津波にのまれても生き残る対策を探れ 東日本大震災の死因分析

 巨大津波が襲った東日本大震災から8年。東北大のチームが犠牲者の死因を詳しく分析したところ、溺死だけでなく、漂うがれきで負傷したり、体が冷えたりして亡くなった人が多数いることが判明した。津波にのみ込まれても生き残る方法が見つかれば、将来の防災対策に役立つ可能性がある。(伊藤壽一郎)

死に至る過程分析

 マグニチュード(M)9・0の巨大地震が起きた東日本大震災では1万8000人以上が犠牲になった。大半は東北地方の太平洋岸を襲った10メートルを超す巨大津波によるもので、溺死者は90・6%に及んだ。