眠れぬ墓標

第3部 極限のシベリア(2)遺族 元気な間はいいが…募る焦り

 「おかしい。こんな埋葬地は初めてだ」。今夏、政府の遺骨収集団が訪れたロシア・ハバロフスク州のエボロン村。作業を始めて5日目ごろから、いくら掘っても遺骨が出なくなり、メンバーに困惑が広がった。

 平成3年から始まったシベリア抑留者の遺骨収集は、毎回ロシア側から提供された埋葬地の図面などをもとに行われる。厳しい気候の大地で作業できるのは6~9月の間だけだが、14年には延べ19地域で2311人分が収容された。

 変哲のない雑木林の中にあるエボロンの埋葬地は、過去に重機で意図的に平らにしたような痕跡まであった。厚生労働省の担当者が5年以上試掘を重ね、ようやく今春、遺骨が見つかって埋葬地と特定された。

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