眠れぬ墓標

「餓島」の慟哭(3)民間頼み 遺骨収集「国が本腰を」

焼骨式の合間に、ハーモニカで「海ゆかば」を奏でる西冨謙太郎さん=平成26年9月、ガダルカナル島(池田祥子撮影)
焼骨式の合間に、ハーモニカで「海ゆかば」を奏でる西冨謙太郎さん=平成26年9月、ガダルカナル島(池田祥子撮影)

 じっとりと熱気がこもる密林に、朗々とした読経が響き渡った。昨年9月、ソロモン諸島のガダルカナル島。土中から掘り出されたばかりの褐色の遺骨を前に、黒い袈裟(けさ)をまとった僧侶、崎津寛光(42)=東京都台東区=が、汗やまとわりつく虫にも構わず一心に唱える。南方の強い日差しですっかり焼けた表情に、戦後生まれの僧侶としての強い思いが表れた。

 商社マンから、母方の寺を継ぐ形で平成15年に僧籍を取得。本意ではなかったが「ずっと心にあった戦没者の慰霊ができるならば」と転身を決めた。

 20年春、単身で初めてガ島を訪れ、1週間にわたり各地で経を唱えて歩いた。最終日、オーストラリア人が保管していた日本兵の遺骨を見て、遠い日の現実に直面した。

 「この島に残る遺骨に背を向けたら、自分の気持ちや言葉は嘘になる」。ガ島に特化して戦没者遺骨を収集する自主派遣隊を結成し、自己完結型の活動を基本に、23年から毎年現地で調査・収集を行っている。

 昨秋9月は、かつて日本軍が切り開いた迂回(うかい)路「丸山道」沿いの野戦病院跡とされる地点で、5日間にわたり現地住民と野営をしながら活動。学生を含む19 66歳の21人が汗を流した。

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