眠れぬ墓標

令和の課題(1)決断 孤島の洞窟「一緒に死のう」

家族らとともに集団自決を図った洞窟で、当時の状況を説明する伊藤久夫さん=6月16日、テニアン島(池田祥子撮影)
家族らとともに集団自決を図った洞窟で、当時の状況を説明する伊藤久夫さん=6月16日、テニアン島(池田祥子撮影)

 紺碧(こんぺき)の太平洋を望む崖沿いの洞窟で成人のものに混ざって見つかった小さな腕や足の骨。それぞれ、乳児、3歳、5歳の子供の遺骨と推定された。

 「DNA型鑑定で身元がわかれば…」

 日本の南約2500キロに浮かぶ北マリアナ諸島テニアン島。この地で6月に行われた戦没者遺骨調査・収集に参加した伊藤久夫(84)=福島県=は遺骨を前に言葉を詰まらせた。

 伊藤は、日本戦没者遺骨収集推進協会の派遣団の一員として訪島。木の枝をつえの代わりに急斜面を下り、6時間以上も洞窟内で土を掻き、目をこらした。東北なまりの朴訥(ぼくとつ)とした口調の伊藤が休む間も惜しんで取り組む姿に、周囲は鬼気迫るものを感じていた。

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