眠れぬ墓標

令和の課題(3)責務 すれ違う遺骨収集への思い

収容した遺骨の泥をはらう山崎功さん=6月17日、テニアン島(池田祥子撮影)
収容した遺骨の泥をはらう山崎功さん=6月17日、テニアン島(池田祥子撮影)

 急峻(きゅうしゅん)な道を下ると、高さ約7メートルの隆起サンゴ礁に囲まれた谷地が現れた。幅わずか約1・5メートルの空間が約50メートルにわたって続く地形。じっとりとした湿気に包まれ、汗が止まらない。

 北マリアナ諸島テニアン島南部。6月15日、政府の委託を受けた日本戦没者遺骨収集推進協会の20~84歳の派遣団員と現地住民計約20人が、熊手などで周辺の土をかき始めた。

 「これ、なんだろう」。山崎功(76)=島根県=が磨くと、碇(いかり)と桜のマークが入った金ボタンだった。旧海軍の軍服用で、この地からはすでに、遺骨とともに旧陸軍の装備品も見つかっている。所々にサンゴ礁が隆起し、敵の進軍を阻む天然の砦(とりで)のよう。陸軍と海軍第56警備隊が防衛していたとみられる。

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