
地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を吸収し、別の物質に作り替える新技術が日中共同で実現した。鍵を握るのは微小な穴を無数に持った高分子材料「多孔性金属錯体(たこうせいきんぞくさくたい)」で、研究グループを率いた京都大の北川進特別教授はノーベル化学賞の有力候補だ。今回はプロペラ型の形状が効果を発揮し、「二酸化炭素の資源化」に向けた大きな前進となる。
99%変換、再利用も可能
多孔性金属錯体は、北川氏が平成9(1997)年に世界で初めて発表した。有機物と金属イオンで作られたジャングルジムのような構造で、自在に設計でき、無数に空いた微小な穴(孔)に気体などを取り込むことで、さまざまな機能が期待されている。