iPS研究 日本のお家芸に黄色信号 米が猛追、ビジネス道半ば

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った再生医療を目指す臨床応用の計画が今年、大きく加速する。対象となる病気は過去6年間で3つだったが、今年は心臓病や脊髄損傷など5つの病気で相次ぎ移植手術が行われる見通しだ。ただ、iPS細胞の関連論文数は既に米国に追い抜かれ、ビジネスへの展望も不透明など課題は多い。(伊藤壽一郎)

 病気やけがで体の細胞や機能を失った患者に、iPS細胞から作った正常な細胞を移植して治療する再生医療。その実用化に向けて安全性や有効性を確認するのが臨床研究で、今年は計画がめじろ押しだ。

 5つの病気を対象に計6チームが年内の移植手術を目指しており、その多くが世界初となる見通しだ。既に大阪大の心不全、慶応大の脊髄損傷、京都大の再生不良性貧血の計画を国が承認している。

 阪大の澤芳樹教授らは、心臓の筋肉(心筋)が壊死(えし)し血液を送る力が衰えた重い心不全患者が対象。iPS細胞から心筋細胞を作製してシート状に加工し、心臓に張り付け機能回復を目指す。慶大の岡野栄之教授らは脊髄の神経が損傷して手足の運動機能を失った患者に、神経のもとになる細胞を移植する。いずれも京大が健常者から作り備蓄しているiPS細胞を使う。

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