子供食堂「こんな時だから」弁当販売のあたたかさ 埼玉、新型コロナ

手作り弁当の販売を始めた子供食堂「わ・和・輪の会」の両角小夜子代表=埼玉県朝霞市(竹之内秀介撮影)
手作り弁当の販売を始めた子供食堂「わ・和・輪の会」の両角小夜子代表=埼玉県朝霞市(竹之内秀介撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、地域の子供たちに安価で食事を提供する「子供食堂」の多くが活動休止を余儀なくされている。埼玉県朝霞市の子供食堂は、普段通りの食事提供を取りやめる代わりに、手作り弁当の販売を始めた。「こんな時だからこそ、子供たちや働くお母さんの力になりたい」。関係者はこう力を込める。

 「出来立てを食べてほしいから、注文を受けてから容器に詰めましょう」

 朝霞市の子供食堂「わ・和・輪の会」のキッチン。スタッフたちが調理に取り組む中、両角小夜子(もろずみ・さよこ)代表(72)の声が響いた。この日の弁当は、ジャガイモやニンジンをふんだんに使った優しい味わいのツナカレーだ。

 同会は平日の昼から夜にかけて営業し、月当たり延べ約200人の子供や保護者が利用してきた。ただ、多くの小中高校で臨時休校が始まった今月2日以降、感染拡大を防ぐために通常の食事提供を見送っている。