
新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、治療薬の有力な候補として注目を集めるのが、日本発の新型インフルエンザ治療薬「アビガン」だ。販売元の富士フイルム富山化学と共同で開発に携わった千里金蘭大の白木公康教授(臨床ウイルス学)に、対策の切り札としての展望を聞いた。(科学部 小野晋史)
--アビガンは、安倍晋三首相が承認に前向きな姿勢を示した。中国政府も治療に用いる方針だ
「一国の総理が一つの薬の名前を出したことは大きい。まだ治療薬となるかは断定できないが、この薬が新型コロナに本当に効くのであれば、開発者冥利に尽きる。日本には200万人分の備蓄があるので、一人でも多くの人に助かってほしいし、そのときは肺に後遺症も残らないでほしい。3月には、国の承認に向けて富士フイルム富山化学が企業治験を始めた。当面は、その動きを見守りたい」