台湾日本人物語 統治時代の真実

(2)抗日武装勢力との死闘

 日本の台湾統治は、清の残党勢力らとの「武力衝突」から始まった、と前回(1日付)書いた。

 明治28(1895)年4月、日本への台湾割譲を盛り込んだ日清戦争の講和条約(下関条約)が結ばれた。見下していた日本の統治に反発する台湾人勢力は5月、清の官吏、唐景●(とう・けいしょう)を総統(大統領)に担ぎ、独立国「台湾民主国」の設立を宣言する。

 日本としては到底看過できる事態ではない。遼東半島の領有権返還を余儀なくされた「三国干渉」同様、欧州列強の関与を期待しての行動であり、そうした状況を招く前に力で押さえ込まねばならなかった。