世界史の転換 新型コロナウイルスの後に何が来るのか  ウイルス学者・加藤茂孝

ウイルス学者の加藤茂孝氏
ウイルス学者の加藤茂孝氏

 1月に新型コロナウイルスCOVID-19が中国で広がった時点では、私は2002-2003年のSARSの連想から、運が良ければ半年で消えるのではないかという第1シナリオと、人類に定着して風邪ウイルス、ことによると少し悪性の風邪になるのではないかという第2のシナリオを考えていた。

 2月後半から欧米に広がり世界的パンデミックになった時点で、第1のシナリオは早々に捨てた。それどころか、3月に入って、世界史を変える大転換が起きるのではないかと予感するようになった。

 過去の歴史を変えたパンデミックで思い当たるのは、14世紀のペスト(黒死病)である。

ペストが変えた世界

 1347-1351年のペスト大流行は、推定で最大7500万人の死者が出て、ヨーロッパの人口の1/3から1/2の減少があったといわれる。現在と比べて社会の変化は数世紀にわたってゆっくり起きたが、最終的には中世から近世への移行という世界史上の転換点となった。

 (1)カトリック教会の権威の失墜

 当時は教会の聖職者たちが医療も担っていたが、ペストに対しては教皇の祈りと同じで、全く無力であった。教会・教皇の権威は失墜し、1415年に火あぶりになったヤン・フスや1517年に「95カ条の意見書」を提起したマルチン・ルターの宗教改革につながった。

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