コロナ 知は語る

作家・数学者・藤原正彦氏 規律と秩序で感染拡大防げ

お茶の水女子大学名誉教授、藤原正彦氏
お茶の水女子大学名誉教授、藤原正彦氏

 新型コロナウイルス禍で国際環境が激変する中で、日本はどうあるべきか。グローバル化に流されない日本像を説いた「国家の品格」の著書がある作家で数学者の藤原正彦氏は、パンデミック(世界的大流行)への日本型対策の有効性を示すべきだと話す。

米欧対中国の構図

 --コロナ禍で世界はどう変わるか

 「まず、今まで米中2国のつばぜり合いが続いていたのが、米欧対中国の構図になるだろう。中国の全体主義の危険性に欧州もようやく気付いた。そもそも発生初期に中国が隠蔽(いんぺい)したから世界中に感染が拡大したのに、自国がある程度落ち着いたらイタリアや東欧、アフリカなど(中国による巨大経済圏構想の)一帯一路の重要国にマスクや人工呼吸器を送って救世主顔をする。さらに世界保健機関(WHO)をはじめとした国連の機関をコントロールするなど、非常に不誠実な対応を行った。この露骨な覇権主義に米欧の不信感は強まり、対立が激化するだろう。自由民主主義対全体主義の冷戦になる。熱戦にならぬよう注意が肝心だ」