コロナ 知は語る

ウイルス学者・山内一也氏 中国はSARSの教訓守らず

ウイルス学者・山内一也氏
ウイルス学者・山内一也氏

人類と野生動物の関わり方考え直すべきだ

 新型コロナウイルスは、コウモリのウイルスが変異して人に感染したとみられている。ウイルス学者で東大名誉教授の山内一也氏は、野生動物と接触する機会が多い現代社会の環境が背景にあると指摘し、ウイルスと人類の関わりを考え直すべきだと提言する。

著しい環境の変化

 --新型コロナウイルス誕生の背景は

 「20世紀後半からの人口増加、都市化、森林開発、経済発展など、現代社会の著しい進歩とともに、これまで人間とは別の環境に生息していた野生動物と人間社会の距離が縮まってきた。その結果として、野生動物と平和共存しているウイルスが人間社会に入り込む機会が増大している。それが新興感染症の姿で現れてきている」

 --2002年に中国で発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)の教訓は生かせたか

 「SARSのコロナウイルスはコウモリと共存しているウイルスだ。ところが、中国の野生動物市場では、自然界では決して一緒になることのない動物が人間社会の狭い場所に閉じ込められている。SARSは、そのような環境でコウモリのウイルスがハクビシンなどを介して人に感染して起きたと考えられており、野生動物が保有するウイルスが動物市場などから人間社会に持ち込まれる危険性を教訓として残した」

 「しかし、中国政府は野生動物市場を一時閉鎖したものの、SARSが終息するとまもなく再開した。教訓は守られなかった。中国では野生動物は食用や漢方薬の原料として、伝統的に重用されてきた。SARSから十数年の間に中国消費者の購買力は著しく上昇し、野生動物は世界各地から輸入され続けている」

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