開発責任者が語る「富岳」が変える未来

理化学研究所計算科学研究センターで報道陣に公開されたスーパーコンピューター「富岳」=神戸市
理化学研究所計算科学研究センターで報道陣に公開されたスーパーコンピューター「富岳」=神戸市

 スーパーコンピューターの世界ランキングでトップに立った理化学研究所の新型スパコン「富岳」。前身機「京(けい)」の約100倍の計算力を見込み、すでに新型コロナウイルスの治療薬開発などの分野で画期的な成果を出し始めている。防災、環境、ものづくり-。「世界最高性能のマシン」の開発責任者、松岡聡・理研計算科学研究センター長が語る未来像では、さまざまな分野で変化を遂げる私たちの社会や生活が見えてくる。(有年由貴子)

 「富岳は社会の課題解決のため活躍することを目標に開発された。今まで世界でできなかったシミュレーションが今後可能になる」。松岡氏は富岳開発の意義についてこう説明する。

 世界ランクで富岳は、計算速度だけでなく産業利用も含めた計4部門で首位に立つ世界初の快挙を達成。だが、「ベンチマーク(性能を測るためのプログラム)で1位を取るために設計したことは一度もない」と強調する。背景には、民主党政権時の事業仕分けで「2位じゃダメなんでしょうか」と問われた京が、世界最速を強く意識したために使い勝手が悪く利用が広がらなかったことがある。「その『問い』に真摯(しんし)に答えるために富岳を開発してきた」

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