小さなピンク色の花をつけるかれんな姿とは裏腹に、農作物に取り付き枯死させるたちの悪さから「魔女の雑草」と呼ばれる寄生植物ストライガ。アフリカでは年間1兆円を超える農業被害が生じ、食料危機への懸念に拍車を掛けている。有効な駆除法がない人類の敵を、日本の技術で退治できる可能性が見えてきた。
根に寄生して養分を横取り
ストライガはハマウツボ科の植物で、アフリカや南アジアの熱帯から亜熱帯の半乾燥地域に分布する。大きさ約0・2ミリの小さな種子が風に乗って広がり、トウモロコシなどイネ科の植物の根に寄生。一体化して栄養や水分を横取りし、枯らしてしまう。
種子は微細で土壌からの除去は不可能。数十年にわたって休眠状態を続け、熱に強く除草剤も効かない厄介者だ。アフリカでは、日本の国土の約1・3倍に当たる5000万ヘクタールの耕作地が汚染され、深刻な食糧問題に追い打ちをかけている。