小惑星探査機「はやぶさ2」の地球帰還が1週間後に迫った。過酷な大気圏突入を経てカプセルを無事に回収し、小惑星リュウグウの試料を持ち帰ることはできるのか。往復6年の長旅は最後の山場を迎える。(伊藤壽一郎)
1万度の超高温
はやぶさ2は2014年12月、H2Aロケットで打ち上げられた。来月5日、リュウグウの試料が入っているとみられるカプセルを地球上空で分離し、6日未明にオーストラリア南部の砂漠に着陸させる計画だ。主力のイオンエンジンによる軌道修正を既に完了し、帰還に向けた最終飛行を順調に続けている。今後の重要な局面は、カプセルを切り離す際の姿勢制御だ。カプセルは機体の進行方向の前面に付いており、着陸する場所の方を向いていない。このため切り離す直前に、カプセルが着陸場所へ向かいやすくなるように機体の姿勢を大きく変える必要がある。
