
はやぶさ2のカプセルが帰還したことで、日本は小惑星の試料を地球に持ち帰る技術を世界に先駆けて確立し、実用段階に引き上げることに成功した。
初代はやぶさは心臓部のエンジンや通信装置などの故障が相次ぎ、満身創痍(そうい)で奇跡的に帰還した。初の小惑星探査で実験的な意味合いが強かった面もあるが、着地の際も装置が正常に働かず、ごくわずかな微粒子しか採取できなかった。
この教訓を生かしたはやぶさ2は、多くの対策を実施。小惑星リュウグウから無事故で帰還を果たし、さらに100億キロ離れた別の小惑星に向けて出発できたほど機体は健全だ。試料の採取は初代より多く、目標の0・1グラムを超える量が確実視されている。