
新型コロナウイルス感染拡大の「第3波」で医療現場が逼迫(ひっぱく)している。入院患者や重症者の増加に医療体制が追いつかなければ、年末年始の医療崩壊も現実味を帯びる。医療従事者も患者もいや応なく厳しい状況に立たされる今、第4部では「医療」と「就労」を重ね合わせて考える。
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「日本の医療制度が風前のともしびになっている」
医療関係9団体が「医療緊急事態宣言」を発表した21日の記者会見で、日本医師会の中川俊男会長は危機感を示した。日本病院会の相沢孝夫会長も「国民の健康と命を守るため、折れそうな心を必死に支えながら医療を提供してきた。これ以上感染者が増えたら、努力は報われない」と悲壮な表情で訴えた。医療従事者は確かにこの1年間、過酷な状況を強いられてきた。