市長選で掲げて当選「5万円給付」の公約としての節操

11月15日投開票の兵庫県丹波市長選で、現職を破り初当選した林時彦氏が配布していた選挙チラシ
11月15日投開票の兵庫県丹波市長選で、現職を破り初当選した林時彦氏が配布していた選挙チラシ

 全市民に一律5万円を給付します-。11月に行われた兵庫県丹波市長選で、こんな公約を前面に掲げた新人候補が、現職を破って初当選を果たした。名目は新型コロナウイルス対策としての市民への経済的支援。ただ、この公約をめぐっては当初から「ばらまき」との批判が強く、同県の井戸敏三知事も「いかがなものか」と苦言を呈する事態になった。渦中の新市長はこれに「がっかりだ」と反論、“肝いり政策”の実現に自信を見せているが…。(藤木祥平)

「5万円」が争点に

 新型コロナ感染拡大に伴う緊急経済対策として、国が国民1人当たり10万円を給付したのは記憶に新しい。これを地域の実情に応じて補完するとして、自治体レベルでも独自に現金を含めた給付を行う動きがある。

 この給付を争点としたのが、11月15日に投開票が行われた丹波市長選だ。5万円給付を公約に掲げた元市議の新人、林時彦氏(66)が、現職だった谷口進一氏(67)らを破り、初当選を果たしたのだ。

 この公約に対し、落選した谷口氏陣営のある市議は「市長選にあっては禁じ手のような提案。そもそも実現可能とは思えない」と憤りを隠さない。井戸知事も「5万円を支給するという政策で投票行動が左右されていたのだとすると、いかがなものか」と疑問を口にした。