未知の天皇陵の可能性高める国内最大級の子持勾玉

北から見る狐井丘陵。手前右に狐井稲荷古墳、中央左に狐井城山古墳、その奥に常盤寺跡の丸い丘が見える(奈良県香芝市提供)
北から見る狐井丘陵。手前右に狐井稲荷古墳、中央左に狐井城山古墳、その奥に常盤寺跡の丸い丘が見える(奈良県香芝市提供)

 天皇陵(大王墓)説がにわかに強まっている古墳がある。奈良県香芝市の前方後円墳、狐井(きつい)城山古墳(全長140メートル、5世紀末~6世紀初頭)。宮内庁の管理下になく、民有地にあるこの古墳を地元の歴史学者は武烈天皇陵にふさわしいとの説を唱える。昨年11月には、王権祭祀(さいし)の呪具と推定される国内最大の子持勾玉(こもちまがたま)が同じ狐井丘陵の別の古墳で発見されたと同市が発表、天皇陵説を裏付ける“追い風”となっている。(川西健士郎)

武烈天皇陵の可能性

 「当時の日本で最も大きい古墳を大王墓とすると、狐井城山古墳こそが武烈陵にふさわしい」。地元在住の歴史学者で、堺女子短大名誉学長の塚口義信氏はこう主張する。