
日本でもようやく新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。先行する米英から2カ月遅れとなったが、使われるワクチンは高い効果があり、感染拡大防止の「決め手」になることは間違いない。ただ、季節性のインフルエンザ程度になるなどの「収束」には時間を要する。2年目に兆しがみえ、5年はかかるとの指摘がある。また安定供給や高い接種率の達成など課題も残る。
ワクチンは、ウイルスなどの異物の侵入に対する準備を、人の体にあらかじめさせるものだ。異物を外敵として認識し、体を守る免疫反応を利用し、ウイルスを撃退する。
しかも、接種した人の感染や重症化を防ぐだけではない効果がある。接種する人が一定数に達すると、接種していない人たちの「壁」となって、社会全体で感染しにくくなる集団免疫を獲得。その結果、感染症流行の収束につながる。
高い有効性
まず、今回のワクチンの有効性をみたい。