クローズアップ科学

巨大地震は予測困難 北海道・沖縄も対策急務

 巨大地震は東日本大震災が起きた東北地方だけでなく、西日本の南海トラフや北海道の千島海溝沿いでも近い将来の発生が懸念されている。内陸では活断層による直下型も全国で警戒が必要だ。いずれも発生の予測は困難で、防災対策が急がれる。(長内洋介、伊藤壽一郎)

 巨大地震の発生場所である海側と陸側のプレート(岩板)境界がゆっくりと滑る「スロー地震」。東日本大震災後の地震研究で鍵を握る現象だ。この様子が南海トラフでも分かってきた。

 マグニチュード(M)9・1の巨大地震の想定震源域の縁で、複数のタイプのスロー地震がすみ分けるように分布し、紀伊半島や高知県の沖合は「空白域」に見える。ここは昭和の東南海地震や南海地震の震源域と重なっており、次の地震に向けてひずみが蓄積している。

 東日本大震災では2日前にM7級の前震が起きた後、スロー地震が発生。場所を移動しながら続発したことで断層の破壊を促し、巨大地震につながった可能性がある。これを想起させる事態が南海トラフで2016年4月に起きた。