徴用工訴訟対抗措置 政府は慎重、自民は「早期発動を」

労働を強いられたとして日本企業を提訴し、記者会見する原告男性ら=4日、ソウル中央地裁前(桜井紀雄撮影)
労働を強いられたとして日本企業を提訴し、記者会見する原告男性ら=4日、ソウル中央地裁前(桜井紀雄撮影)

 いわゆる元徴用工訴訟などをめぐり、韓国内で日韓請求権協定に違反する日本企業の資産差し押さえの動きが相次ぐ中で、日本政府はなお対抗措置の発動に踏み切っていない。日本経済への影響も考慮し、内容や規模と利害得失を慎重に測っているためだ。ただ、自民党内や安倍晋三首相の支持層には早期発動を求める声が強く、首相も早晩、決断を迫られそうだ。(力武崇樹)

 「(発動は)考えている。差し押さえで実際に実害が出てきたら…」

 首相は最近、周囲にこう語った。ただ、資産の差し押さえ段階で日本企業に実害が出たと見ることも可能で、政府高官も「いつでも対抗措置を発動する準備はできている」と明言する。