IR事業者の自治体「選別」活発化 横浜の誘致表明で風雲急

横浜F・マリノスのスポンサーとなる契約を発表した香港IR大手メルコリゾーツ&エンターテインメントのホー会長(中央)=7月26日、横浜市内((C)Y.F.M)
横浜F・マリノスのスポンサーとなる契約を発表した香港IR大手メルコリゾーツ&エンターテインメントのホー会長(中央)=7月26日、横浜市内((C)Y.F.M)

 政府が統合型リゾート施設(IR)整備の「基本方針案」を今秋にも発表するのを前に、日本進出を目指す海外IR事業者による自治体選別の駆け引きが活発になってきた。事業者にとって、どの地域に進出するかはビジネスの成否に直結する。今月、横浜市がIR誘致を表明すると、大阪で参入を目指していた複数の事業者がすかさず横浜進出へとかじを切った。さながら“国盗り”を競う乱世の様相だ。(黒川信雄)

葛藤の末に「くら替え」

 横浜市がIR誘致を正式表明した22日、大阪参入に強い意欲を示していた米IR大手のラスベガス・サンズが突然「東京と横浜での機会に注力する」と発表し、大阪から撤退した。また、大阪参入の意向を示していた香港のメルコリゾーツ&エンターテインメントも、横浜に事務所を開くと発表した。事実上の“くら替え”表明だ。