政界徒然草

物議かもした議長発言 参院では問題視されず

大島理森衆院議長(後方)への苦言を述べる立憲民主党の枝野幸男代表=10月7日、衆院本会議場(春名中撮影)
大島理森衆院議長(後方)への苦言を述べる立憲民主党の枝野幸男代表=10月7日、衆院本会議場(春名中撮影)

 4日に召集された臨時国会は、波乱の幕開けとなった。会期中に憲法改正手続きを定めた国民投票法改正案の与野党合意を目指してほしいという大島理森衆院議長の発言を、野党は「越権」と批判し、一時は審議拒否もちらつかせた。ただ参院では、山東昭子参院議長が踏み込んだ発言をしたが、野党は問題視しない。衆参のダブルスタンダード(二重基準)には、改憲議論にブレーキをかけさえすればいいという、浅はかな思惑も透けてみえる。

枝野氏「越権行為」

 騒動の発端は、大島氏が5日、地元・青森県八戸市で開いた会合で、改正案について「もう少しのところに来ている。臨時国会で与野党が話し合い、合意を見つけてほしい」と語ったことだった。

 改正案は、遠洋航海中の洋上投票の対象者拡大など7項目からなり、いずれも現行の公職選挙法とのずれを解消するのが目的だ。主要野党は内容に賛成しているが、法案提出から4国会も採決を拒んでいる。