「時期」より「成果」重視 習氏来日延期へ

会談に臨む安倍晋三首相(左)と中国の習近平国家主席=令和元年6月、大阪市北区
会談に臨む安倍晋三首相(左)と中国の習近平国家主席=令和元年6月、大阪市北区

 日中両政府が中国の習近平国家主席の国賓としての来日延期で検討を進めているのは、「時期」よりも「成果」を重視しているためだ。肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日中外交当局は2月中に日本で予定した次官級会合を開催できず、昭和47年の日中共同声明などに続く「第5の政治文書」を含め、来日の成果づくりに向けた準備作業は停滞していた。中国側は来日反対論が日本で強まっていることも考慮したとみられる。

 「現時点では予定には変更はないものの、中国国家主席の訪日は10年に1度のことであり、十分な成果を上げることができるものとする必要があるとの観点から、引き続き日中間で緊密に意思疎通をしていく」