買収-前法相夫妻逮捕

(上)夫は帰り際に封筒「いいから」、妻はお酌後に ばらまきの手口

広島市のホテルで開かれた政治資金パーティーで、ステージに立つ河井克行容疑者(右)と、誕生日を迎えた妻の案里容疑者=2019年9月
広島市のホテルで開かれた政治資金パーティーで、ステージに立つ河井克行容疑者(右)と、誕生日を迎えた妻の案里容疑者=2019年9月

■「現金だ」一瞬で酔いがさめ…

 「『人気者』と伺っていますよ」。昨年4月下旬、初対面の男は満面の笑みで、広島県東部にある男性県議の事務所を訪れた。後に法相となる広島3区選出の衆院議員、河井克行(57)だった。

 その約2週間前、県議は初当選を果たしていた。克行は祝福やねぎらいを述べた上で、自身の広報紙「季刊河井克行」を手に、西日本豪雨で被害を受けた地域の復旧や河川対策、幼少期の話など、さまざまなテーマで熱弁した。約5分間、話し続けた克行は急に立ち上がると、机の上に黙って厚みのある封筒を置いた。中身を尋ねようとする県議を「まあ、いいから」と制し、立ち去った。

 数日後、県議が中身を確認すると現金30万円が入っていた。克行の妻、案里(46)は約3カ月後の参院選に向け、すでに自民党本部から公認を得ていた。県議はこう振り返る。「『当選祝い』ではなく、参院選での支持依頼だと、その瞬間に分かった」

 約半月後の夜、案里は広島市内にある割烹(かっぽう)料理店にいた。ベテランの男性県議に「どうぞ」と酒を注ぐ案里。日中、あいさつ回りに精を出し、夜も当選に向け、支持の訴えに力を入れた。

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