主要政党は独自候補擁立せず 都知事選、異例の首都決戦

東京都庁舎。知事選が告示され、論戦がスタートした=18日午後、東京都新宿区
東京都庁舎。知事選が告示され、論戦がスタートした=18日午後、東京都新宿区

 18日に告示された東京都知事選は、主要政党が独自候補の擁立を見送る異例の展開となった。令和初の首都決戦は、新型コロナウイルスへの危機管理や来夏に延期された東京五輪・パラリンピックの対応など争点は多岐にわたる。にもかかわらず、与野党ともに有権者に選択肢を示すことができなかったことで、政党の責任放棄との批判を受けかねず、党内からも悔恨の声が漏れる。(広池慶一、千田恒弥)

■二階氏の推薦意向、断られ

 自民党では小池百合子知事の再選を後押しする党本部と、主戦論を唱える都連との綱引きが続き、告示直前まで迷走した。擁立断念を決めたのは6月に入ってからで、支援のあり方についても、二階俊博幹事長が小池氏を推薦する意向を示していたが、本人に断られ、事実上の自主投票を余儀なくされた。

 選対幹部は「政党色を排除し、幅広い支持を集めるのが小池氏の狙いだ。最初からこの形を狙っていたのではないか」と語る。党幹部も「自主投票だと自民のレゾンデートル(存在意義)が問われてしまう。ただ今回は、小池さんが一枚も二枚も上手だった」と悔しさをにじませた。