コロナ 知は語る

富士通FSC理事長・谷内正太郎氏 日本には守るべき軸がある 

谷内正太郎・富士通フューチャースタディーズ・センター理事長(酒巻俊介撮影)
谷内正太郎・富士通フューチャースタディーズ・センター理事長(酒巻俊介撮影)

パンデミックで国際秩序の流動化が加速する

 新型コロナウイルスは国際秩序に影響を及ぼしつつある。富士通フューチャースタディーズ・センター理事長の谷内正太郎氏(初代国家安全保障局長)は、コロナ危機は日本人にとって国家像や国際社会との関わり方を見つめ直す機会ともなったと捉える。

 ◆国家間の対立強まる

 --世界の今をどうみる

 「新型コロナウイルス感染症は、グローバリゼーションがナショナリズムやポピュリズムの抵抗、反発を受けながらも、ヒト・モノ・カネ・情報の国境を越えた流れを急速に進めていく中で広がった。目に見えない脅威との人類の戦いであり、世界の国々、人々は団結・連帯すべきときだ。だが、今の国際社会はそれを可能にするシステムになっておらず、国連やWHO(世界保健機関)も機能しているとはいえない。各国は基本的に『自国第一』で国内状況に対応しており、国家間の対立や立場の相違がますます強まってきている」

 --今後の国際秩序の在り方が議論されている

 「第二次大戦後の国際秩序は米国主導で、冷戦構造が国際社会全体に一つの枠組みを与えていた。冷戦の終焉(しゅうえん)後、民族・宗教等の対立が顕在化し、ここ10年くらいは中国が急速に台頭し、軍事・政治・経済・技術などの分野で米国と対立を深めている。中国が、低姿勢を貫く間に力を蓄えるかつての『韜光養晦(とうこうようかい)』戦略を放棄し、今や米国の覇権に挑戦しているのは明らかだ。秩序はすでに流動化していたが、今回のパンデミック(世界的大流行)で、さらに加速している」

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