地上イージスなぜ撤回 首相、ミサイル防衛見直しの転機に

出邸する安倍晋三首相=24日午前、首相官邸(春名中撮影)
出邸する安倍晋三首相=24日午前、首相官邸(春名中撮影)

 安倍晋三首相は国家安全保障会議(NSC)で地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備計画の事実上の撤回を確認した。「合理的な投資ではない」(河野太郎防衛相)と判断したためだ。首相は河野氏の主張を直ちに了承はしなかったが、現行のミサイル防衛政策を見直し、抑止力を強化する転機になると捉え、撤回に踏み切ったとみられる。

 平成29年に北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返す中、防衛省は迎撃態勢の整備を急ぎ、秋田、山口両県へのイージス・アショア配備作業と、技術的な検証を同時並行で進めた。

 30年6月に始まった山口県の地元説明会で、迎撃ミサイルブースター(推進補助装置)が「(配備地の)陸上自衛隊むつみ演習場の外に落下しないか」との質問が出た。ソフトウエア改修で済むとの米政府の説明を受け、防衛省の担当者は「演習場内に落とせる」と答えてきた。

 ところが今年に入り、正確に落とすにはミサイル本体の改修が必要となる可能性が浮上。事実上、開発のやり直しを意味する。2月以降、日米の当局者が協議を重ねる中で、費用は2千億円、期間も10年以上を要する本体改修が不可避だと5月下旬に結論付けた。

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