論点直言 敵基地攻撃能力

政府が検討する敵基地攻撃能力の課題とは

(左から)神保謙氏、武田康裕氏、河野克俊氏
(左から)神保謙氏、武田康裕氏、河野克俊氏

 政府が敵基地攻撃能力の保有検討に着手した。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」に代わる新たなミサイル防衛政策の柱で、年末をめどに改定する外交・安全保障政策の包括的指針「国家安全保障戦略(NSS)」に反映させる方針だ。北朝鮮など周辺国のミサイル技術が高度化する中、敵基地攻撃能力保有の課題や日本が本当に必要とする抑止力とは何かを聞いた。

「日米連携で対中攻撃能力準備を」 慶応大教授の神保謙氏

 敵基地攻撃という概念ばかりを議論をするのはもうやめたほうがいい。敵は誰か、何を目的とした攻撃なのかという議論が共有されていない。

 北朝鮮の弾道ミサイルを攻撃しようとすれば、方法は3つある。1つは撃たれる前に無力化することだが、これは難しい。北朝鮮の(弾道ミサイル)ノドンは地下施設に格納され移動式発射台が用いられるが、発射前に摘み取る攻撃は著しく困難だ。

 2つ目は、相手に耐えがたい損害を与える懲罰的抑止だが、北朝鮮に巡航ミサイル数十発を撃ったぐらいでは懲罰的抑止能力になるとは考え難い。それ以上の大量報復は日本の防衛政策と一致するものではない。