政界徒然草

崩れた首相のシナリオ ポスト安倍で岸田氏低迷 早期解散論浮上、来秋続投も

安倍晋三首相に第2次補正予算の重点項目を申し入れる自民党の岸田文雄政調会長=5月21日午後、首相官邸(春名中撮影)
安倍晋三首相に第2次補正予算の重点項目を申し入れる自民党の岸田文雄政調会長=5月21日午後、首相官邸(春名中撮影)

 安倍晋三首相(自民党総裁)の総裁任期が来年9月末までの残り1年余りに迫る中、首相が後継者として期待する岸田文雄党政調会長が存在感を発揮できずにいる。党内では、次期総裁選で首相批判を繰り返す石破茂元幹事長と事実上の一騎打ちになれば「ダブルスコア以上の大差で負ける」との声があり、首相が石破氏優位の流れを変えるため早期の衆院解散・総選挙に踏み切るとの観測が広がる。その場合、来秋以降も首相が続投せざるを得ないという見方もある。

 「多くの人が亡くなり、国民の暮らしも大変になった。連日対応に追われ、(政権運営に)執着が出てきた感じだ。かっこつけている場合じゃないと思うようになったのではないか。コロナ以前の7年間はうまくいき過ぎだった」

 政府高官は6月下旬、新型コロナウイルス対策に追われ、1月下旬以降、147日間の連続勤務を経た首相について、こう話した。

 来月24日、首相は第2次政権発足以後の連続在職日数で2799日となり、佐藤栄作元首相を抜き、歴代1位となる見込みだ。首相はこの7年半で、強固な同盟に裏付けられた日米関係をテコに、中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領、欧州各国首脳とも良好な関係を築き、国際社会での日本の存在感を飛躍的に高めた。

 国内に目を転じれば、集団的自衛権の限定行使を認めた安全保障関連法と特定秘密保護法の制定や、同一政権では初めて2度の消費税増税を実施し、少子高齢化を踏まえた社会保障制度改革を進めた。宿願の憲法改正は実現していないが、国政選挙5連勝を通じて国民に改憲の意義を訴えた意義は小さくない。

 安全保障や経済が厳しさを増す中、日本の大方針を決めた上で東京五輪を花道に引退し、その後は所属する党内最大派閥の細田派(清和政策研究会)の重鎮としてキングメーカーになる-。こうした首相の思惑は、新型コロナの世界的な感染拡大で吹き飛んだ。

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