政界徒然草

総裁選で吹っ切れた岸田氏 派閥の「緩さ」を克服できるか

自民党岸田派総会で総裁選への立候補を表明し、ガンバローと拳を突き上げる岸田文雄前政調会長(中央)=1日午後、東京・永田町(三尾郁恵撮影)
自民党岸田派総会で総裁選への立候補を表明し、ガンバローと拳を突き上げる岸田文雄前政調会長(中央)=1日午後、東京・永田町(三尾郁恵撮影)

 14日投開票の自民党総裁選は、菅義偉(すが・よしひで)首相が党内7派閥のうち5派閥の支持を得て完勝した。初めて出馬した岸田文雄前政調会長は議員票を積み増す意地を見せ、石破茂元幹事長を押さえて2位を死守。来年の次期総裁選への挑戦権をもぎ取った。ただ、地方票では菅首相と石破氏に大差を付けられ、党員・党友投票が全面的に反映される次の総裁選には不安を残す。菅首相による党役員・閣僚人事では冷遇され、久々に無役となった岸田氏は自らの派閥の一致結束を維持して再起を図れるのか。

 「完全な冷や飯だな」

 岸田氏が率いる岸田派(宏池会、47人)の若手議員は憔悴(しょうすい)した表情で菅内閣の顔ぶれを見てこう述べた。

 岸田派は党役員人事で四役を逃し、獲得できたのは小野寺五典元防衛相の組織運動本部長だけ。

 閣僚ポストでも、同派が希望した金子恭之(やすし)衆院議員(当選7回)らの初入閣は見送られ、3度目の起用となる上川陽子法相と再入閣の平井卓也デジタル改革担当相の2人が入った。菅首相から岸田氏への相談もなく、一本釣りされた形だ。

 安倍政権では内閣、党ともに要職を渡り歩いてきた岸田氏自身も処遇されず、菅首相を支援した党幹部は「(岸田氏は)次の総裁選にも出るんでしょう? だったら閥務に励むべきだ」と突き放す。安倍政権で主流派を占めてきた岸田派は一転、非主流派となった。