「安倍さんは秋波を送っていた」 なぜ岸田氏は首相になれなかったのか(上)

日本記者クラブでの自民党総裁選立候補者討論会に出席した岸田文雄政調会長=12日午後、東京都千代田区(鴨川一也撮影)
日本記者クラブでの自民党総裁選立候補者討論会に出席した岸田文雄政調会長=12日午後、東京都千代田区(鴨川一也撮影)

【歴代番記者覆面座談会】

 自民党の岸田文雄前政調会長は、今の菅義偉(すが・よしひで)首相の姿をどうみているのだろうか。今年の春先までは、安倍晋三前首相らから支持を受け、「ポスト安倍」の最有力候補だったのに-。岸田氏はどこで間違い、何をしなければならなかったのか。そもそも有資格者なのか。今回の総裁選では、「吹っ切れた」と語る岸田氏が明朗に政策を語る場面が目立ったが、次の総裁選に向け、今後どうすればいいのか。岸田氏を担当した歴代番記者5人が、裏話も交えながら匿名で語り合った。

■「古賀切れず」は真の敗因?

A「今回の総裁選で、岸田さんの敗因は何だろう」

B「ちょっと待った。敗因というのはおかしい。2位になっただけで十分だ。あれだけ票が伸びるとは思わなかった。接戦といわれていた中で、結果的に負けて勝った」