政治デスクノート

菅首相が中国に突きつけた親台派防衛相

栄誉礼を受けた後、巡閲する岸信夫防衛相=17日午後、防衛省(酒巻俊介撮影)
栄誉礼を受けた後、巡閲する岸信夫防衛相=17日午後、防衛省(酒巻俊介撮影)

 菅義偉(すが・よしひで)首相は中国に対して融和的な対応に転じるのではないか-。つい、そう考えてしまった。自民党内では親中派である二階俊博幹事長の影響力が強まり、菅首相自身が党総裁選で「反中包囲網」に否定的な考えを示したためだが、その見方も改めた方がよさそうだ。安倍晋三前首相の実弟で親台派で知られる岸信夫氏を防衛相に起用したからだ。これには中国が警戒を強める一方、台湾は非常に歓迎している。前政権を継承する菅外交の一端が垣間見られた。

 岸氏は防衛政務官や外務副大臣、衆院安全保障委員長を経験し、かねてから防衛相候補の一人だった。ただ、岸氏以外に防衛相候補者がいなかったわけではない。

 そもそも菅内閣では再任や同じポストでの再登板が目立つ。再任では麻生太郎副総理兼財務相や茂木敏充外相、再登板では上川陽子法相や田村憲久厚生労働相らがそれに当たる。新型コロナウイルス禍で堅実な政権運営を考えれば、経験者で固めた方が無難だからだろう。

 それならば、自衛隊の運用をはじめ、防衛法制と憲法との整合性を国会で問われる防衛相にも、経験者を充ててもよかったはずだ。それでも菅首相は、台湾との友好促進を図る超党派議連「日華議員懇談会」幹事長の岸氏を登用した。