戦後75年 国家主権(1)

狙われた尖閣 27度線南下「戦争覚悟した」

 中国海軍の艦艇が予想外の行動をとり、日本側に極度の緊張を強いる事態が発生したのは、平成24(2012)年9月に野田佳彦政権が尖閣諸島(沖縄県石垣市)を国有化してしばらく後のことだった。北緯27度線の北側海域に展開していた中国軍艦艇2隻が27度線を越えて南下し、尖閣諸島に向かってきたのだ。

 一報は東京・市ケ谷の防衛省にも届けられた。27度線から尖閣諸島までの距離は約90キロ。中国軍艦艇はその距離をどんどん縮めていく。

 60キロ、50キロ、40キロ…。当時、中国軍艦艇の動きを知り得る立場にいた自衛隊関係者は約30キロになったときのことを、こう振り返る。

 「戦争が起きるかもしれないと覚悟した」