河村直哉の時事論

国家の存続が大前提だ 日本学術会議問題 

日本学術会議の梶田隆章会長と会談後、取材に応じる菅義偉首相=16日、首相官邸
日本学術会議の梶田隆章会長と会談後、取材に応じる菅義偉首相=16日、首相官邸

 あまり好ましい表現ではないが、日本学術会議自体が使っている言葉なので引用する。「少数ではあるがアンケートの一部、あるいは会員の一部にも、今日のように学術会議が不振に陥った原因は、学術会議が従来ややもすれば『反政府的』であり、また政治的過ぎたためではなかろうかという意見をもつ人達がみられた」(「日本学術会議25年史」)

■昔も政府と距離

 同書は学術会議発足から四半世紀となる昭和49年に発行された。会議の活動を9期に分けて概説し、資料も付している。同44年からの第8期には、「日本学術会議のあり方検討特別委員会」が設けられた。いきさつをこう記している。

 「最近の政府の学術会議軽視の風潮はますます顕著になって、学術会議への諮問も法令に定められているささいな1件を除いては皆無という有様である」

 改革の方向を探るため第7期末に会議内外の人にアンケートを行った。冒頭の少数意見はそのような場で出た。現在、会員候補の任命問題や学術会議のあり方が議論されているが、会議と政府との距離はいまに始まったことではない。