菅政権考

うっすらとにじんだ首相の疲労感 見逃さなかった微細な変化

初外遊から帰国した翌朝に出邸する菅義偉首相=10月22日午前、首相官邸(春名中撮影)
初外遊から帰国した翌朝に出邸する菅義偉首相=10月22日午前、首相官邸(春名中撮影)

 菅義偉(すが・よしひで)首相の就任から約1カ月半が経過した。首相の生活スタイルは朝から夜までさまざまな人と積極的に面会して情報交換をする活動型だ。首相周辺は「官房長官時代から変わらない」と話す。これが土曜、日曜、祝日も続くとあって一挙手一投足を追う「総理番」の記者も慌ただしい。ただ、10月中旬ごろから首相にわずかな変化がみられた。

 首相の日常は午前6時40分過ぎに官邸へ出邸し、周辺の散歩から1日がスタートするのが通例だ。朝食も秘書官らとともにし、昼も多くは周辺のホテルへ食事に出かけ、関係者と面会して意見交換する。夜は支持者や議員らとの夕食で情報収集にいそしみ、複数の会場を「はしご」することもあった。

 官邸関係者は「首相はお酒を飲まない。だからこそ夜の日程もアクティブにこなせるのだろう」と話す。こうしたスケジュールは土日、祝日も同様で、スポーツジムや散髪といった私用に加え、30分~1時間の面会や打ち合わせを断続的にこなすのが就任後のスタイルだ。

 報道機関によって取材態勢は異なるが、現場で「出待ち」する総理番からは「元気すぎる」「今日はいつまで動くんだ…」などとの声もあがる。

 「首相の歩くスピードがすごく遅い」

 ちょっとした変化が表れたのは10月18日から21日までベトナム、インドネシアの東南アジア諸国を歴訪した初外遊の前後だった。