千葉県知事選 鈴木大地氏辞退で保守王国に激震 地元で交錯した思惑

 保守王国の千葉で、来年4月の任期満了に伴う知事選をめぐり、自民党の候補者調整が難航している。現職の森田健作氏(70)が去就を明言しない中、擁立を目指していた前スポーツ庁長官の鈴木大地氏(53)が土壇場で出馬を断念。対抗馬となる千葉市長の熊谷俊人氏(42)は直後に出馬を正式表明し、このままでは流れが決まりかねない情勢だ。(小野晋史)

突然の辞退

 「大変申し訳ございません」

 10月28日夕、自民党県連会長を務める渡辺博道衆院議員の元に、鈴木氏から出馬辞退を伝える電話があった。県連のシナリオでは、30日に党本部で県選出の国会議員が集まり、鈴木氏への出馬要請を正式に決める予定だった。それが突然振り出しに戻ってしまった形だ。

千葉県知事の森田健作氏。知事選への去就は明らかにしていない=10月29日、県庁(小野晋史撮影)
千葉県知事の森田健作氏。知事選への去就は明らかにしていない=10月29日、県庁(小野晋史撮影)

 ただ、このとき渡辺氏は、鈴木氏に辞退の理由を詳しく聞かなかった。

 実は電話に先立ち、鈴木氏は東京五輪・パラリンピック組織委員会会長を務める森喜朗元首相と、面会や電話で相談を重ねていた。