政界徒然草

菅首相は北条義時に学べるか 無派閥宰相の権謀術数

首相官邸に出邸する菅義偉首相=27日午前(春名中撮影)
首相官邸に出邸する菅義偉首相=27日午前(春名中撮影)

 最近、ツイッターでNHKのある大河ドラマが話題を呼んだ。放映中の「麒麟がくる」でも、来年の「青天を衝け」でもない。再来年に放送予定の「鎌倉殿の13人」の第1次出演者が、脚本を手がける三谷幸喜さんにより5日間にわたって発表されたのだ。

 小栗旬さんが演じる主人公の北条義時は鎌倉幕府の第2代執権で、幕末まで続く“武士の世”の基盤を築いたことで知られる。とはいえ、鎌倉幕府誕生前後の北条氏の勢力は他を圧倒していたわけではない。当時は三浦氏、和田氏、比企氏ら有力な御家人が存在し、義時はドラマの題名通り、鎌倉殿(源頼朝)を支える13人のうちの一人に過ぎなかった。

 そんな北条氏の伸長を可能ならしめたのが権謀術数の限りを尽くしたライバル潰しだ。昨日の敵は今日の友。今日の友は明日の敵。義時が三浦氏と連携して和田氏を倒せば(和田合戦)、第5代執権の時頼の時代には権力を二分していた三浦氏を滅ぼして(宝治合戦)“北条一強”を確立するに至る。「諜報、裏切り、暴力、なんでもござれ」は、まるでマフィア映画の名作『ゴッドファーザー』の世界だ。

 今の政界に目を転じれば、菅義偉(すが・よしひで)首相は無派閥出身で党内に有力な支持基盤を持たない。「数が全て」の政界では首相の意のままにならない派閥が少なからず存在し、そっぽを向かれれば失脚しかねない。計略にたけた義時(北条氏)に学ぶことはできるだろうか。