政界徒然草

公明国盗り物語 「政治不信」だけではない別の事情

次期衆院選への出馬意欲を語る公明党の斉藤鉄夫副代表=11月19日午後、広島市
次期衆院選への出馬意欲を語る公明党の斉藤鉄夫副代表=11月19日午後、広島市

 公明党は衆院広島3区に斉藤鉄夫副代表=衆院比例中国=の擁立を決めた。同区の現職である元法相、河井克行被告(自民党離党)による買収事件で政治不信が広がり、自民候補は支持できないというのがその理由だ。ただ、公明には何としても中国地方で選挙区を確保しなければならない別の事情がある。支持母体の創価学会とのパイプが太い菅義偉(すが・よしひで)政権の誕生も、公明の背中を押す。

 「政治の信頼を回復し、与党としての議席を確保するには斉藤氏を擁立することが最善であると考えた」

 公明の西田実仁(まこと)選対委員長は広島3区の公認を決定した11月19日の記者会見で、斉藤氏の「くら替え」の理由についてこう繰り返した。

 河井氏は昨年7月の参院選広島選挙区をめぐる買収事件で公職選挙法違反の罪に問われて公判中だ。今年6月の逮捕前に自民を離党したが、前回平成29年衆院選は公明が河井氏を推薦し、7回目の当選を果たしている。

 河井氏は自民党公認で衆院選に立候補し、当選を重ねてきた。自民が議席を維持してきた選挙区の後継は自民が決めるのが通例だ。にもかかわらず、公明が選挙区の「奪取」に動くのはなぜなのか。「政治の信頼回復」はあくまでも表の理由に過ぎない。