河村直哉の時事論

新型コロナ禍が問う 「弱い国家」からの脱却 

参院本会議で答弁する菅義偉首相=11月30日、国会(春名中撮影)
参院本会議で答弁する菅義偉首相=11月30日、国会(春名中撮影)

 新型コロナウイルスという国難を乗り切ろうとする強いリーダーシップが、政府に感じられない。強い対応を可能にする法改正もならないまま臨時国会は終わった。目立ったのは「Go To トラベル」をめぐる国と東京都の不快な不協和音である。戦後日本では国家の力が徹底的に弱められた。それでよいのかとウイルス禍は問うている。

国と地方の対立の淵源

 東京の「Go To」問題は、高齢者らに利用自粛を呼び掛けることで落ち着いた。政府と都の判断の押し付け合いにあきれた人も多かっただろう。

 コロナ禍を離れて、国と地方の対立の淵源というべきものを戦後間もない時期に見てみる。憲法と同じ昭和22年5月3日に施行された法律の一つに、地方自治法がある。成立過程を見ると、日本を占領した連合国軍総司令部(GHQ)の日本改造が地方にまで及んでいることがわかる。占領政策と地方自治に詳しい故・天川晃(あまかわ・あきら)氏の「戦後自治制度の形成」による。