菅政権考

新型コロナ禍の首相 「頑固で無口」は美徳だが… 支持率にも影響か

新型コロナウイルス感染症対策本部に臨む(奥側手前から)尾身茂氏、田村憲久厚生労働相、菅義偉首相ら=11月27日午後、首相官邸(春名中撮影)
新型コロナウイルス感染症対策本部に臨む(奥側手前から)尾身茂氏、田村憲久厚生労働相、菅義偉首相ら=11月27日午後、首相官邸(春名中撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、菅義偉(すが・よしひで)首相肝いりの観光支援事業「Go To トラベル」の是非が焦点になっている。医療崩壊を懸念する政府のコロナ分科会の専門家らは事業の運用見直しを再三にわたり提言。しかし政府は見直しを小規模にとどめ、来年6月末までの期間延長も決めた。一連の対応からは「いったん決めたら貫き通す」首相の長所とともに、「発信不足」という弱点もあらわになる。内閣支持率も下落しており、事業の動向はなお予断を許さない。

 「日本には観光関係の方が約900万人いる。ホテルや旅館の従業員の方、お土産を製造・販売する方、農林水産品を納入する方。観光に従事される方が地域をしっかり支えていただいていることも事実だ」

 首相は4日、臨時国会の事実上の閉会を受けた記者会見でそう語った。トラベル事業は「最大で5兆円の経済効果、46万人の就業誘発効果があったという民間試算もある」(加藤勝信官房長官)とされ、地方を重視する首相の強い思い入れがにじんだ。

 トラベル事業で改めて浮き彫りになったのは、一度決めた方針は、どんな抵抗があっても容易には曲げない首相の頑固さといえる。実際、専門家らの事業縮小を求める「圧力」は相当なものだった。