政界徒然草

岸田氏にも「桜」の余波 次期総裁選の戦略練り直しも 安倍氏との距離感

講演に臨む自民党の岸田文雄前政調会長=11月9日、国会内(永原慎吾撮影)
講演に臨む自民党の岸田文雄前政調会長=11月9日、国会内(永原慎吾撮影)

 自民党の岸田文雄前政調会長が新たな壁に直面している。9月の総裁選で菅義偉(すが・よしひで)首相に大差で敗れ、埋没への危機感が強まる中、再起を期すため安倍晋三前首相に最接近を試み始めた矢先に、「桜を見る会」前日の夕食会をめぐる問題が勃発。東京地検特捜部は安倍氏の公設第1秘書を立件する方針を固め、安倍氏への政治的な打撃は避けられない情勢だ。岸田氏は次期総裁選に向けて安倍氏の「後ろ盾」を強く期待するだけに、戦略の練り直しも必要になりそうだ。

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 「安倍氏自身が捜査の方向が決まれば自ら説明すると発言している。その説明を聞くことが第一歩だ」

 岸田氏は10日の岸田派(宏池会)会合後、「桜」の問題が再燃する安倍氏に関する記者団の質問に言葉を選びながら見解を示した。そのうえで「安倍氏の豊富な経験、知識を今後も政治の場で生かしていきたい。こう思っている人間は多いのではないか」とも強調した。

 岸田氏が安倍氏への配慮をにじませるのは総裁選後の苦境を打開するには安倍氏の協力が不可欠と考えるからだ。安倍政権では外相、政調会長と日の当たるポストを渡り歩いたが、現在は閣僚や党三役などの主要ポストから外れ、発信の機会は大幅に減少し、注目度も低下している。