菅政権考

新型コロナ対応にこそ“前例打破”が必要 首相のリーダーシップ不可欠

年頭の記者会見に臨む菅義偉首相=4日午前、首相官邸(春名中撮影)
年頭の記者会見に臨む菅義偉首相=4日午前、首相官邸(春名中撮影)

 新型コロナウイルスへの対応をめぐり、菅義偉(すが・よしひで)首相の発信力が揺らいでいる。昨年9月の政権発足直後に60%超あった内閣支持率は新型コロナの「第3波」の感染拡大に伴って急落した。行政のデジタル化や携帯電話料金値下げなど首相肝いりの政策で得た勢いに急ブレーキがかかったのはなぜか。

 首相官邸の発信力に陰りがみえるのは、首相周辺の情報収集体制が心もとないためではないだろうか。

 例えば、昨年12月の人出について、首相は4日の年頭記者会見で「特に東京都近県の繁華街の夜の人出はあまり減っていなかった」と指摘した。だが、官邸内では2日時点でも政府高官ら複数の関係者が「だいぶ減っている」と語っていた。4日の記者会見の首相発言は緊急事態宣言の再発令の方針を固めた3日、官邸で最新の感染状況を分析した結果を踏まえ、半ば土壇場で“修正”されたものだ。経済へのダメージが大きい緊急事態宣言再発令を回避したいという首相の強い意向が、繁華街の実態把握を遅らせた面はなかったか。