
新型コロナウイルスの「第3波」襲来による感染拡大で、議員たちの夜の会食の場面が大幅に減っている。政府が感染防止策として5人以上の会食を避けるよう呼びかけているためで、東京都内では緊急事態宣言が再発令される。とはいえ、与野党を問わず議員にとって夜の会食は政治活動に欠かせない場だ。今年は衆院解散・総選挙や自民党総裁選が控えており、政局ともなればなおさら重要な意味を持つ。「政治は夜動く」ともいわれた永田町の文化はコロナ禍で変容するのか。
「先日の私の会食の件は本来、大人数での会食を避けることを要請する立場にありながら、深く反省をしている。改めておわびを申し上げる」
菅義偉(すが・よしひで)首相は昨年12月25日に行った記者会見の冒頭、国民に向けてこう陳謝し、頭を下げた。首相は同14日夜、自民党の二階俊博幹事長をはじめ俳優の杉良太郎さんら7人以上が東京・銀座のステーキ店に集まった会食に出席。自ら5人以上の会食を避けるよう呼びかけておきながら会食に参加したからだ。
さらに、首相はこの会食の数時間前に観光支援事業「Go To トラベル」について「全国一斉に一時停止する」と表明しており、野党は「国民から見ると誤解を受ける可能性は高いのではないか」(立憲民主党の安住淳国対委員長)などと批判を強めた。