政界徒然草

二極化する「魔の3回生」 デジタル、経済安保…旬の政策で「事務局族」が台頭

デジタル庁創設に向けて議論する自民党のデジタル社会推進本部の会合。(左から)牧島かれん氏、小林史明氏、下村博文政調会長、甘利明税調会長=令和2年12月11日、自民党本部(牧島事務所提供)
デジタル庁創設に向けて議論する自民党のデジタル社会推進本部の会合。(左から)牧島かれん氏、小林史明氏、下村博文政調会長、甘利明税調会長=令和2年12月11日、自民党本部(牧島事務所提供)

 社会のデジタル化など菅義偉(すが・よしひで)政権の看板政策をめぐり、自民党内で衆院当選3回の若手議員の動きが活発だ。党の政策立案を担う政務調査会の本部などで実務の中心的な役割を果たす事務局長を務める議員が多く、「事務局族」とも呼ばれる。平成24年衆院選の初当選組は不祥事が相次ぎ「魔の3回生」と揶揄(やゆ)されるが、政策に長じた人材も生まれ、二極化が進んでいる。衆院選に小選挙区制度が導入されたことも事務局族の台頭に関係しているようだ。

 民主党から政権を奪還した平成24年に初当選した現在の3回生は80人を超える。26、29年にも衆院選があったが、自民党への追い風で連続3回当選を果たし、党内で一大勢力を形成する。ただ、不倫を認めて辞職した宮崎謙介氏や、秘書への暴言・暴行で29年衆院選で落選した豊田真由子氏ら不祥事を起こす議員が多発し、「魔の3回生」と不名誉なレッテルも貼られる。

 一方で、政策立案を担う党の政調会の本部や調査会でいくつも事務局長を掛け持ちしながら知見を広める人材が育ちつつある。