那覇軍港移設に弾み 浦添市長選 玉城氏支持離れで知事選へ痛手

 7日投開票された沖縄県浦添市長選で菅義偉政権が推す無所属現職の松本哲治氏が3選したことで、政府は米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添沿岸部への移設を進める。今回の勝利は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する玉城デニー知事の支持基盤を揺るがす効果もあり、政権は来年秋の知事選に向けた勢いに乗りたい考えだ。

 「地方自治体の選挙についてはコメントは差し控えている」

 加藤勝信官房長官は8日の記者会見で、浦添市長選の結果にそっけない姿勢を示した。だが、加藤氏の言葉とは裏腹に政権は必勝の態勢で臨んだ。

 松本氏陣営には菅首相の秘書と自民党本部職員2人を派遣。党県連と距離がある県議会中立会派の県議らも巻き込み、票の上積みを図った。党組織運動本部長の小野寺五典元防衛相は県内業界団体に要請を繰り返し、県連幹部は「地方首長選としては異例の態勢だった」と振り返る。