外交安保取材

潜水艦「そうりゅう」衝突事故 想定される3つの原因

高知港沖合で調査が始まった民間商船と衝突した潜水艦「そうりゅう」。船体中央から横に延びる右舷側の「潜舵」(右)が折れ曲がっている=9日午前8時16分(共同通信社ヘリから)
高知港沖合で調査が始まった民間商船と衝突した潜水艦「そうりゅう」。船体中央から横に延びる右舷側の「潜舵」(右)が折れ曲がっている=9日午前8時16分(共同通信社ヘリから)

 海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」が高知県足摺(あしずり)岬沖で民間商船と衝突した事故は、第5管区海上保安本部(神戸)などが事故原因を調査している。今回の事故は、潜望鏡やアンテナが海面に出ている状態の「露頂(ろちょう)」時に起きた。露頂の際は海上の船から潜水艦が見えないため、最も事故が起きやすいタイミングとされる。潜水艦乗りにとって緊張を強いられる場面で、何が起きていたのか。

 海自によると、潜水艦の航行には大きく分けて3つの段階があり、潜水艦が海面下に完全に潜っている状態の「全没」、船体が海面に出ている状態の「浮上」、そして今回事故が起きた「露頂」だ。

 隠密を旨とする潜水艦は原則、出港・帰港時以外に自らの居場所を知らせてしまう浮上をすることはなく、任務に就けば全没と露頂を繰り返しているという。

 全没時は海上の船とは接触しない深さまで潜っているため事故は起きにくく、全没から露頂に至る深度変更の過程で衝突のリスクは高まる。今回の事故では、そうりゅうは潜望鏡で民間商船に気付き、危険回避のために再潜航しようとしたが、間に合わずに衝突した。