
次期衆院選に向け、自民、公明両党が調整を続けてきた広島3区の候補者は、公明の斉藤鉄夫副代表=比例中国=に一本化することで決着した。公明は10月までに実施される衆院選への準備を加速させる方針だが、今回の合意は公明にとって大きな不安を残す内容ともなった。
自公の協議が大詰めを迎えていた1月20日早朝、公明幹部は自民の選対幹部にクレームの電話を入れた。この日、自民広島県連が擁立を求めてきた石橋林太郎県議を党本部が3区支部長に選任する方針とのニュースが一部で流れていた。
「こういう話は聞いていない。どういうことか」
問いただす公明幹部に、自民選対幹部は「正式に決めたわけではない」と繰り返した。
自民の選挙区支部長は衆院選の予定候補者でもある。衆院が解散されれば、党が正式に候補者として公認し、選挙を戦う。
もし石橋氏が支部長に就けば、世間には「広島3区の候補者は石橋氏」と映りかねない。それだけに、公明は石橋氏の就任に神経質になっていた。